ソースのdiffを取るように、キャリアのdiffを取る
数年に1度は改訂する個人ドキュメントに、職務経歴書があると思います。ドキュメントとしては書くのにたいへん面倒な部類に入りますが、1回作っておくと後は更新で済むので、便利ですね。私が改訂したのは、もう何年も前で、すっかり放置しております。人生が安定してきたのかもしれません。
職歴すなわちキャリアのログをweb上に記録し、他の人と見せ合うことができるサービスがあります。ヒューマンリソシアさまの依頼の下、ギルドワークスで開発した「キャリアログ」です。コンセプトは、 「ソースのdiffを取るように、キャリアのdiffを取ることができる」。
先輩や自分とは異なる境遇の方がどんなキャリアを積んできて、これから先どう行こうと考えているのか、他の人の考えを知ることで自分のキャリアを見つめなおす機会にしようというのが狙いのサービスです。
増田さんの職人へのこだわり
このサービスの運営の一環として、自分のキャリア戦略を語ってもらうインタビューをはじめました。キャリアのログの背景にあるストーリーを、ご本人の口から話してもらうことで、より臨場感が得られるようにしました。第1弾はドメイン駆動設計の実践者 増田 さん。ギルドワークスの取締役でもあります。
増田流ソーシャル・チェンジ論【前編】
増田流ソーシャル・チェンジ論【後編】
増田さんのこれまでの歴史をお聞きする機会はこれまでもあったのですが、改まって時系列に話を伺うと、断片的だった話が連結され て、増田さんがなぜいまも 職人 にこだわるのかが見えてきます。大工・宮坂さんの話。宮坂さんのものづくりへのこだわりがとてつもないインパクトとして残り、いまにも生きている。こんなことが垣間見れることも、ログを振り返る醍醐味ですね。
Twitterの一言から始まった出会い
増田さんとの出会いは、インタビュー文中にあるとおり、一つのTwitterがきっかけでした。ずいぶん昔にドメイン駆動設計のイベントを開くにあたって、協力を得るためにお話したのが最初。
そこから意気があって、学習パターンをソフトウェア開発に適用するために延々と2年くらい、ほぼone on one の勉強会をしたりするうちに、ソフトウェア開発への思いは積もり積もって、会社を一緒に立ち上げる話になったんだと思います。
会社を立ち上げる直前は、会うたびに増田さんから「いつ起業するの?」と聞かれていました。コミュニティの世界に増田さんを繋いだのが私ならば、事業家の世界に私を繋いでくれたのは、増田さんでした。
大工・宮坂さんと開発者・増田さん
ギルドワークスを立ち上げる際にも、増田さんは職人の世界を描いていました。ギルドという名前が示すとおり、親方が居て、職人、弟子が繋がる世界。ギルドワークスは、増田さんのソーシャル・チェンジの一つの形だったんだと思います。
職人論を説き続けてきた増田さん。その先として、大量工業生産モデルから職人的世界観への転換を挙げられています。それをただ大上段に振りかざすのではなく、コードを書くことそのもので訴えていく増田さんの背中は、かつて増田少年が背中を追った大工・宮坂さんに他ならないように私は感じました。
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