この記事は、 ギルドワークス アドベントカレンダーの二日目の記事です。
はじめに
前回の記事(重なる理解と重なる世界)で「二次的理解」(=他者の理解の仕方を理解する)と「二重コンテキストモデル」(ネット利用における文脈と、実生活における文脈の2つが存在する)ことを書きました。
では、それをどうやって理解するのでしょうか。方法としては「インタビュー」が適切な場合が多いです。今回は、ギルドワークスの価値探索で実践しているインタビューについて書きます。
インタビューと行動観察
先に、インタビューの他にどんな方法があるかについて、「行動観察」というものもあります。
それぞれの使い分けとしては、行動観察は利用者の「外側からみる」方法で、インタビューはInter-viewの言葉通り利用者の「内側からみる」方法です。
先に説明したように「他者の理解の仕方を理解する」というのは、利用者の内側をみる必要があります。ですので、インタビューが重要になってきます。
インタビューの流れ
インタビューの計画をする
何をどのようにインタビューするのかを計画します。
例えば、既にサービスがプロトタイプでもある場合は、そのサービスに触れてもらい、インタビューすることがあります。サービスがまだない場合は、仮説として建てた課題があるのか、その課題に対してこちらが検討しているサービスが刺さりそうかをインタビューしていきます。
インタビュー対象を集める
インタビューの対象者を集めます。
いわゆる縁故で、知り合い伝いにインタビュー対象者を集めることもあれば、リクルーティング会社を通じてやったり、クライアント側で集めてもらうこともあります。
例えば、「ソフトウェア開発者」であれば、縁故で集めることも難しくないです。しかし、対象サービスが医療の領域であったりすると、縁故では難しいケースも出てくるため、他の方法をとることもあります。
よく、どのくらいの人数をインタビューするのかというのが話題になります。ユーザビリティ上の課題を発見するという目的で広まっている「5人」が多いですが、仮説検証を目的とする場合は、もっと多くの人にインタビューするケースが多いです。
インタビュースクリプトをつくる
インタビューを思いつきでやってしまうと、場の流れで聴きたかったことを聴けないケースもあります。
なので、ギルドワークスでインタビューを実施/実施サポートする場合は、インタビュースクリプトを必ず作成します。
割と多いのは、対象者を誘導してしまうケースです。意図して誘導してしまうケースは論外ですが、意図せずにちょっとした言葉で誘導してしまうこともあります。スクリプトを事前に作成することで、誘導していないかチェックすることができます。
インタビューを実施する
実際に、インタビューを実施します。
様々な気をつける点はありますが、短い時間の中で可能な限り対象者の信頼を得て、対象者の言葉を引き出すことを主眼に実施します。
インタビューを実施した内容は、Google Driveのスプレッドシートなどを利用して、対象者の言葉を記録していくことが多いです。
インタビューの結果を分析する
インタビューを実施していくとGoogle Driveのスプレッドシートに結果が溜まっているはずです。
その結果を元に、最初に建てた仮説が合っているか、どんな背景で対象サービスを利用しているのか、などを分析し、傾向をまとめます。
まとめ
- 利用者の背景を理解するために、インタビューは有効な手段である。
- インタビューは計画・対象者集め・スクリプト作成・実施・結果分析というステップを踏むと実施しやすい。
明日も ギルドワークス アドベントカレンダー をよろしくお願いします。
Photo by boellstiftung on VisualHunt / CC BY-SA
0
取り消す
この記事に共感したら、何度でも押してこの記事のポイントをみんなでアップしよう。