前半で市谷が語ったギルドワークスのスタンス。それを実現するためには一人では難しい。ではどんなチームで実現していくのか。ひきつづき市谷がインタビューに答えます。
クライアントとひとつのチームに
-前半で伺った仕事のスタンス、仕事ができる人にはすごく楽しそうですが、同時にとても厳しいですよね。
市谷:定型のプロセスじゃなくて、そのケースごとに考え、やり方を変えなきゃいけない。だから「このやり方でやれば絶対に正しい解が導き出せる」っていうのを否定するために「正しいものを正しくつくる」を掲げて、大事にしているんですね。それを一人でやるのは、幅広すぎて手に負えないので、チームでやるっていうスタンスですね。
-これからこういう会社、こういうプロダクトに関わりたいっていうのはありますか?
市谷:やっぱり人ですね。「こういうものを提供していけば、こういう人が幸せになるんじゃないか」っていう、たくらみの実現に向けた思いが強い人とやりたいですね。強い思いを持っているから楽しいというわけではないので、強い思いとともに、意思決定を適当にやらないってことなのかな。
-適当にやらない、とは?
市谷:思いは強くても、自分の言うことが本当に正しいか、どういう形、プロダクトにすれば良いかわかっていない、という風に、自分がわかっていないことに気づいてるかは結構大事ですね。
そうじゃないと、強い思いに任せて「いやもうこれつくったらええやん」って突き進んでしまう。そうなると「正しいものを正しくつくる」とは相いれなくなってしまう。
ある意味、たくらみを持っている人と同じ目線だったり、同じ熱量でやっていくので、苦労を払ってでも寄り添いたいと思えるかどうかで違ってきますよね。
-「もっとこうしなきゃダメですよ!」ってお尻を叩きながら教えていくこともありますか?
市谷:ありますね。みんな、一人ではやれないからチームを作るんですね。クライアントも我々も含めたチームなので、足りないところは我々から提供することがあるし、我々が足りないことはクライアントさんから提供してもらうし、みたいなスタンスですよね。
だから、チームでやれない、というところとは一緒にやれない。自分の考えが一番正しいんだと思っちゃってる場合はチームになりにくい。
-リーダーがいてみんなついていく形のチームではないんですね。
市谷:そうですね。新規事業では「俺が言ってることはすべて正しい」という独裁者的なリーダーは当たりはずれが大きい。それよりそのチームで足りてないところを補完していく形の方が期待できる。チームの感情や行動を支援するようなリーダーが必要っていうスタンスをとってます。
雪山に挑戦してこそ得られる価値
-ギルドワークスというチームにもいろんな役割の人がいますよね
市谷:プロジェクトマネジメントとして「正しいものを正しくつくる」に責任を持つ人もいれば、開発プログラマーとして「正しいものを正しくつくる」のために、自分のできることで責任を持つ形で関わる人もいる。何をどう判断するかの範囲は人によって違います。例えば、私がクライアントに求められるのは「この状況でユーザーに求められるものは?」という問いに「一番確かなのはこういうことじゃないかな?」という仮説をたてて(どこまでいっても仮説ですが)検証して、その上でソフトウェア作りをリードすること。そういう役割もいれば「なるほど、そういうものを作りたいんですね、であるならば、こういう技術を使ったり、こういう段取りで開発進めていきましょう!」ということを担う人もいる。
-どの仕事がいちばん責任が重いとか?
市谷:それはないです。全部重要ですね。どれかが欠けたらうまくできない。もし、なくてもうまく回るのであれば、もう最初から必要ないですよね。
-必要なのは全部できる人?
市谷:それが結構難しくて。マネジメントも、仮説を立て検証することも、開発も全部できます、という人は多分ほぼいないんじゃないかな。なので、僕らはチームを作って自分の得意とする技を持ち寄っている、という感じです。
-今の時点で、ほしいのはどんな技を持っている人ですか?
市谷:人が何を求めてるかを読み取って、何を作るべきかというところを整える人。クライアントと話をして読み取って行くとか、そういう役割の人ですかね。
-今後の方向性としてはどんな感じでしょうか?
市谷:正しいものを正しくつくることを目指す人を増やすってことですね。そのためには、ギルドワークスにそれを支援できる人がある程度いなきゃいけないのであれば、人を採用しなきゃいけないですが、いろんな手段があるはずですから、うちの社内の人間を増やしていくことは必ずしも一番の目的ではない。社員を100人ぐらいにして、売り上げを何億にして、みたいなことを目指してないということですよね。
-「ビーチでカクテル」みたいなわかりやすい成功のイメージは描いていない。どんなイメージが当てはまるんでしょう?
市谷:描いているビジュアルがあって、「雪山の登山」なんですよ。雪山でどの道を進んでいけばいいのかもよくわからない中やっていかなきゃいけない。ひょっとしたらそこに谷底があって、「もうこのプロダクトはあかん…!」って辞めなきゃいけない危機と隣り合わせ。パーティを組んでみんなで協力していくイメージですが、チームで行く感じ。大変ですね。だから人が増えないんでしょうかね(笑)
-その雪山に登る喜びっていうのは何でしょう?
市谷:やっぱりそこに登りつめたときとか、登ってる間も、見える風景が違うんですよね。プロダクトとかサービスが受け入れられて、その人の生活が変わったり幸せが増えるっていうのは、それがないときに比べると「世の中が変わった」って言えて、そういう世の中の変わり目を見ることができる仕事なんですよね。
それを見るために、苦しい思いもして雪山登ってるみたいな。雪山登らないとやっぱりいい風景に出会えないと思うんですよね。
-一緒に雪山を登る仲間に対して、ギルドワークスが与えることのできる価値は、その「風景」?
市谷:雪山を登るっていうのも捨てたもんじゃなくて、登るためにいろんなものを学ばなきゃいけないし、身につけなきゃいけないし、登ってる最中でもその学びのスピードっていうのは速いですよね。生き抜くために。そういうスタートアップ的にプロダクトをつくる経験ができる。しかもスタートアップに入っちゃうと、そこだけの経験ですが、僕らはいろんな会社に関わっているんで、人よりも多く経験ができる。その経験がさらに次に活かせる。そういう経験を積みたい人には良い環境なんじゃないかなと思います。
-ギルドワークスという、同じチームでずっと行きたいのか、それともある程度で独立してほしい感じなんですか?
市谷:それは後者ですね。そこは「正しいものを正しくつくる」という話で、人によってはギルドでやるよりも、ギルドでの色々な経験をもって、あるスタートアップの支援に行こうという判断も正しいじゃないですか。そこで出ていくのもありだし、独立して自分の雪山を自分で選びながらやっていくというのもいい判断でしょうし、ありだと思いますね。
-フリーランスに近い感覚がありますね。
市谷:雪山を登っているのはお互いわかっているんで、大変だからこそ、ギルドワークスの中の人っていうのは、楽しいことや喜びを分かち合う気持ちが強いと思います。
-人と直に会うっていうのを大事にされてる?
市谷:大事ですね。リモートワークがベースで日常は基本みんなバラバラの場所でやっていて、分かち合う時間がリアルではなかなか取りにくい。だからこそリアルで会う時間がすごい大事だって思います。なので合宿など、あえて集まれる時間と場所を作って振り返ったりしていますね。
良いことがあったなら、それをみんなで分かち合いたいし、分かち合うためにあえて共有する場をちゃんと作っています。
「正しいものを正しくつくる」というミッションを支えているのは、メンバーの圧倒的な経験値と、厳しい「雪山」ならではの分かち合いの精神だと感じました。
ギルドワークスでは現在、一緒に働く仲間を募集しているそうです。
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