ミッション、ビジョンの点検から始める
先日、ギルドワークスの創業メンバーで集まって、この2年半分の 事業ふりかえり 合宿を行いました。シンプルな進め方ですが、なかなかスムーズにアウトプットまで辿りつけたので、ご紹介したいと思います。事業だけではなく、プロダクトやチームのふりかえりにも利用できそうです。後で上げる評価軸について、対象に適したものを選びましょう。
プロセスの中で、外したくなかったのは3点。
・目の前の課題にとらわれ過ぎず あるべき姿 から議論ができること。
・思いつきではなく 評価軸 を定めた上で具体的なバックログ(施策)を洗いたい。
・洗いだしたバックログを いつ実行するのか 期限まで明確にしたい。
この3点を満たしながら、 事業をふりかえって、行きたい方向へとむきなおる ことが今回の合宿の狙いでした。ただふりかえるだけではなく、あるべき姿との差から、今後の方向性を決めることを、特に 「むきなおり」 と名前付けしています。ふりかえり、むきなおる。今回の合宿はギルドワークスの今後の方針と向き合うための機会としました。
まずは、肩慣らし的に、 ミッション・ビジョンの点検 を行いました。そもそも、われわれはなぜここにいるのか?何したかったのか?という根本について改めて問い直すことで、これから始める事業ふりかえりの目線を合わせることが狙いです。問い慣れていないと、ここでまずは時間がかかるかもしれません。
現状の評価を評価軸毎に行う
事業をふりかえる上の評価軸に対して、参加者それぞれの評点をまずはつけていきます。私達は評価軸に バランス・スコアカード を採用しました。評価軸を何にするかは、組織や事業の状況、評価対象に応じて決めると良いと思います。このテンプレ検討に時間をあまり費やすよりは、ひとまず乗っかってみてやってみる。その後適宜、自分たちで軸を練っていくのが良いでしょう。バランス・スコアカードは一例に過ぎません。
さて、評点の方は参加した3人がそれぞれ1〜5の数字がかかれたカードを手に持ち、プランニングポーカー的に行いました。各評価軸について、3人がそれぞれ一斉にカードを差し出し、現状の評価を示します。人の意見を先に聞くとバイアスが働きやすいため、自分の見立ての可視化をまずは行う。評価が割れても、割れなくても、どういう基準で点数をつけたのか、おのおのが意見を述べるようにします。3人の点数を記録しておくようにします。
評価軸ベースで「課題」と「あるべき姿」を洗う
現状の認識を共有する過程で、既に「課題感」が口をついて出てくるものです。評点を可視化した後は、各々で評価軸毎に「課題」と「あるべき姿」をあげていくようにします。「課題」だけではなく「あるべき姿」をセットで出すようにするのは、外したくない点であげたとおり、目先のことに終始しすぎないようにするためです。
「課題の解決」「あるべき姿の実現」のために必要な「バックログ」を洗う
「課題」と「あるべき姿」についての認識を関係者で共通にした後は、それぞれへの施策(バックログ)を講じます。すなわち「課題の解決」と「あるべき姿の実現」を導くために必要なことの具体的な検討です。
実際にはあるべき姿と現状の差分がなすべきこと=課題のため、バックログは「課題」と「あるべき姿」で共通的になります。課題からか、あるべき姿からか、考えやすい方向からバックログを出し練り上げるのが良いでしょう。
「バックログ」の相対的な重要度を決める
たくさんのバックログが出せました。これらをすべて一度にやるには、人も時間も足りません。バックログ間での重要度を決めることにします。重要度の基準は、最初に考えたミッション・ビジョンの点検をもとに、「ミッションのためになるか、ビジョンにより近づけるのか」としました。バックログ間で、相対的にどちらがより重要度が高いかで、先後を決めていきました。
相対的に決めていくと、要する時間が短くて済みます。
いつまでにやるべきなのか時間軸を明らかにする
最後に、いつやるべき事案なのか、明らかにしていきます。区分された重要度を参考に、バックログ毎に「いつまで」を決めていきます。今回は、ドットシールで時期を表現することにしました。
ここまでのワークを、参加者で話し合いながら進めていきます。壁と付箋、ペンさえあればどこでも出来ます。観光地の宿を借りて合宿となると、会議室がなかったり、設備が適していなかったりすることがありますが、付箋とペン程度ならコンビニでも買えるので、身軽です。
6つのステップを経て、最終的に「いつまでに何をやるべきか」が整理されました。私達はこの後、合宿自体のふりかえりをKPT式で行いました。
事業ふりかえりのまとめ
改めて流れをまとめます。
1. ミッション、ビジョンの点検から始める
2. 現状の評価を評価軸毎に行う
3. 評価軸ベースで「課題」と「あるべき姿」を洗う
4. 「課題の解決」「あるべき姿の実現」のために必要な「バックログ」を洗う
5. 「バックログ」の相対的な重要度を決める
6. いつまでにやるべきなのか時間軸を明らかにする
今回私達は、1泊2日の合宿で臨みましたが、実質要した時間は6時間程度ではないかと思います。1泊2日でやるにはかなり余裕がある時間配分です。合宿となると、可処分時間が多い分あれこれと詰め込みたくなりますが、少し休憩が多いくらいにアジェンダ設定をした方が良いかと思います。気持ちにも思考にも余裕が生まれ、結果的に充実した議論が望めます。ぜひアレンジしてみて頂きたいと思います。
さて、今回の事業ふりかえりの結果、ギルドワークスとして方向性を定めることができました。こちらのイベントで、ギルドワークスの事例や採用技術についての発信とともに、これからのギルドワークスの事業についてもご紹介する予定です。ぜひ、ご参加頂ければ幸いです。
ギルドカンファレンス2016
Eye Catch Photo credit: juhansonin via VisualHunt / CC BY
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