市谷です。
ギルドワークスを立ち上げてから、事業会社様から新規事業や新規サービスの企画立ち上げ、企画から開発に繋げるためのプロセスについてご相談を受けることが多くなりました。
※注意:この記事は2014年9月3日にGuildWorks Blogで公開したエントリをリライトしたものです。
緩いコンセプトしか無いところから企画を練り上げ、企画作りから開発の入り口へと到達し、そしてサービス作りを始める。この流れをやりたいことやプロダクトを取り巻く状況に適するようデザインし、実行するというのは容易なことではありません。まったくの手探りで進んでいくには、心許なすぎるといえるでしょう。
こういった課題に直面しているお客様からのご相談を受けて、どのように進めるか流れとタスクを見立ててみると、これまで手がけた他の企画と全く同じ流れになるということがありません。誰が、誰(関係者)と、誰(想定するユーザー)のために、どんな条件の下、進めていくのかは企画によって異なり、これらの変数によって取る作戦は変わります。変数を把握し、適切な流れを想像することがご相談を受けて最初に取りかかる仕事になります。
とはいえ全くのゼロから流れを考えることも実はなく、繰り返し企画作りのご相談を受ける中で型のようなものができています。以下がその型です。
まず最初に、お客様が考えている初期のコンセプトについて伺い、整理します。リーンキャンバスを使うことが多いです。いくつかの観点から、練れていないところはないかチェックします。例えば競合の見立てがなかったり、競合に対する優位性が見立てられていなかったり、と。練り込み不足が見つかったらそこについてお客様と話し合います。現時点では良しとして先に検討を進めていくといったジャッジも関係者で合意して行います。
次に、企画が対象としているユーザーの行動と感情を可視化し、ユーザーが現状抱えているであろう課題やニーズを見立てます。エクスペリエンスマップという道具を使うことが多いです。ワークショップ形式にて関係者と話し合いながら、手を動かしながらやります。リーンキャンバスで見立てたユーザーに関する仮説が、行動や感情を軸に本当に現れてくるのか検証します。
このエクスペリエンスマップでの結果を踏まえて、サービスとして何が求められるのか(要求)についての見立てへと進みます。ユーザーの行動を時系列で洗い出し、要求を可視化していくユーザーストーリーマッピングを用います。このマッピングを通じて、サービスの最初のスコープを特定し、開発へと進んでいきます。
最後に開発プロジェクトを始める前に、インセプションデッキを用いて本当に開発がはじめられる状況なのかを検証します。インセプションデッキは、書籍「アジャイルサムライ」で紹介されている道具であり、やはりワークショップ形式で関係者の共通理解を作っていくために用います。暗黙的になりがちな関係者各自が持っている、プロダクトやプロジェクト、チームへの期待を可視化します。
このような流れを、時には立ち戻ったり(例えば、エクスペリエンスマップを描いてみたものの、リーンキャンバスで見立てたユーザー課題が表出されなかった等)、ユーザーや関係者へのインタビューを取り入れたりしながら進めることになります。こういった型となる流れ、よく利用する道具を武器にして、冒頭で述べたように企画にあわせてプロセスをデザイン、もしくはやりながら変えていくのです。
今回は一つ一つの道具について詳しく紹介しませんでしたが、折につけてご紹介していきたいと思います。
ギルドワークスでは、特定の技術や考え方にとらわれず、必要な道具を提供することで、「正しいものを正しくつくる」ことを実現します。
興味が湧いた方は「ギルドワークスと組む」などを参照いただき、お気軽にお問い合わせください。
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