※注意:この記事は2015年6月8日にGuildWorks Blogで公開したエントリをリライトしたものです。
ギルドワークス市谷です。
年間20、30の価値探索(コンセプトメイキング〜仮説検証)を行っています。軽くみても300人を越えるユーザー・インタビューをこなしていることになります。ユーザー・インタビューで気を付けるべきことは多々あります。そもそも「何のために、誰に、何を、どんな順番で聞くのか」の設計はその核心になります。
インタビューに慣れていない人が取り組む際には、様々なことに迷うことになります。どこでインタビューをするべきか。インタビューするべき時間帯はいつなのか。どのくらいの人数をインタビューをするべきなのか。インタビューの所要時間はどの程度とすべきか。どのくらいの謝礼を用意すべきなのか。どんな話しぶりが良いのか。聞いてはいけないこととは何なのか。どんな話しはじめ方をすれば相手は話しやすいのか。インタビューの時は鉛筆でメモをとるべきか、PCでも良いのか。どんな服装がふさわしいのか…
インタビューは、人と人の直接的なコミュニケーションであるため、そもそも正解がなかったり、ケース・バイ・ケースで判断しなければならなかったりと容易ではありません。とはいえ、全く丸腰でインタビューを臨むのはリスクが高く、インタビューのコストパフォーマンスは期待外れになってしまうことでしょう。
先にあげたようなインタビューに関する教科書的な悩みについて、丁寧に応える書籍が先日出ました。「マーケティング/商品企画のための ユーザーインタビューの教科書」です。著者の方より献本頂き、拝読致しました。日本の文脈で書かれたユーザー・インタビュー書籍は貴重といえるでしょう。インタビューの経験が浅い方にとっては心強い一冊になるかと思います。私たちが日常実践しているユーザー・インタビューと照らしあわせても、違和感の無い内容になっています。
最後に、インタビューイを前にして最も気をつけるべきことをあげてこの文章を終えたいと思います。最も気をつけるべきこと、それは「このインタビューの目的と、得られた内容の取扱についての説明を冒頭で丁寧に行なうこと」です。当たり前すぎて、拍子抜けされたかもしれません。しかし、インタビューの数をこなしていったり、インタビューイの確保を自分以外の誰かが行っていたりする場合、この説明が無意識に不十分となっていることがあるのです。私たちはインタビューイの時間をお借りして、インタビューを行っています。このことを忘れて、始めてしまうとまず上手くいきません。そして、冒頭でのつまづきを挽回できるほど、インタビューに許可された時間も長くはないでしょうから、結果残念なインタビューになりやすいのです。
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