ユーザー視点に立つとは、その人にとっての「違い」を分かること

2017.02.20

  • オリジナル記事

Edit by
佐々木 将之

ギルドワークスの佐々木です。

ユーザー視点に立つということ

「ユーザー視点に立つ」と言った際に、何が大事なのかについては、様々なことが紹介されています。
私の解釈では、「ユーザー視点に立つ」ということは、そのユーザーが使う「言葉」を知ることだと考えています。もう少し言うと、「そのユーザーにとって近しい言葉の間にある微妙な違いが分かる」ということです。

認知言語学とは

弊社の増田から紹介され、認知言語学というものを知りました。それまでの言語額では、言語知識とは生まれつき獲得しているものと捉えていました。認知言語学とは、人間の一般的な認知能力をとっかかりとして捉え直す言語学の一派です。言葉の意味を静的なものではなく、ダイナミックな概念として捉え、言語の運用面から捉え直すことに特徴があります。

例えば、「肉眼」と「裸眼」は、意味としては近しいですが、異なります。「飛行機を裸眼で確認」はしませんし、「視力検査で肉眼視力」を計測しません。私の解釈ですが、認知言語学は、予め与えられた言葉の定義や分類ではなく、人間の持つ一般的な認知能力を出発点としていくものと考えています。

「同じ」「違う」ということ

この近しい言葉を、人間の一般的な認知能力で分類していく際に指針となるのは、、「同じ」「違う」といった感覚です。
例えば、私が娘の影響でたまに見ている特撮番組があり、そのキャラの一人は「「超ウケる」「ヤバイ」「キタコレ」「激オコ」など JK的スラングを使うイマドキ女子。」と紹介されています。ある属性(JK)と視聴者の違いを表現する際に、使う言葉で表した一つの例だと思っています。

KA法のご紹介

ところで、KA法というデザインリサーチの分析手法があります。
これは紀文食品に在籍していた浅田和実氏(Asada Kazumi)が、小ヒット・ロングセラーを生み出すコツとして開発した手法です。(「図解でわかる商品開発マーケティング」という書籍で紹介されています。)それを千葉工大の安藤昌也准教授が、社会学分野で質的・定性分析手法として使われていた「グラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)」との共通点を見い出し、デザイン用途にモディファイし、広めているものです。

ざっくり中身をお伝えすると、
1. ユーザーが遭遇した出来事や発言から、そのユーザーになりきり、その人にとっての生活価値を抽出する(KAカードの作成)
2. 抽出した生活価値に着目して、似ているものを近づけていき、そこに適切なラベルをつける(いわゆるKJ法の手順です)
というステップがあります。

KA法を実施することで得られる効果

KA法を実施することで、1つ目のステップから「そのユーザーが使う「言葉」を知る」ことができます。2つ目のステップから「そのユーザーにとって近しい言葉の間にある微妙な違いが分かる」ことができます。これは、冒頭で紹介した「ユーザー視点に立つ」時に大事なことですね。

お知らせ

2月23日(木)に「ユーザーの価値観分析ワークショップ」と題して、この記事で紹介したKA法を体験できるワークショップを企画しました。 ご興味ありましたら、是非ご参加ください。
https://guildworks.doorkeeper.jp/events/57029