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チームメンバーの期待をあわせる「ドラッカー風エクササイズ」

写真中村 洋

たばねる

2016.09.13

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パフォーマンスが高いチームの特徴の1つに、それぞれの得意なことや価値観、またお互いに期待していることがわかっているということがあります。

今回はこのお互いのことを知り、期待をすり合わせるための道具として「ドラッカー風エクササイズ」を紹介します。

※注意:この記事は2014年8月27日にGuildWorks Blogで公開したエントリをリライトしたものです。


「チームにおける期待」を合わせる

困難なプロジェクトをより成功に近づけるためには「2つの期待」をマネジメントする必要があります。 1つ目は「チームにおける期待」です。

プロジェクトを進めていくチームには様々なメンバーが集っています。そのメンバーそれぞれの得意なことや期待されていると思うことを共有して、それぞれが持っている期待をすり合わせていく必要があります。この「チームにおける期待」を「内側の期待」と呼びます。

2つ目は「プロジェクト関係者における期待」です。

こちらは「内側の期待」に対して、「外側の期待」と呼びます。これはチームを含めたプロジェクト関係者のプロジェクトへの期待です。これが合っていないとプロジェクトのゴールに辿り着いた時に誰も幸せにならないことになります。

「ドラッカー風エクササイズ」とは?

「ドラッカー風エクササイズ」は、チームにおける期待をすりあわせ、チームビルディングをするためのプラクティスの1つです。日本では「アジャイルサムライ」に掲載されて知った方もいるかもしれません。

プロジェクト開始前、開始直後、また新たなメンバーが加わった際に行うプラクティスです。

内容はシンプルで、以下の4つの質問に参加者がそれぞれ書き出して、共有して、話し合っていきます。

  1. 自分は何が得意なのか?
  2. 自分はどうやって貢献するつもりか?
  3. 自分が大切に思う価値は何か?
  4. チームメンバーは自分にどんな成果を期待していると思うか?

なぜこのような質問をチームメンバーで話し合うことが必要なのでしょうか?プロジェクトでは、様々なバックグラウンドや価値観を人達が集まりチームとなり、ゴールに向かっていくことが求められます。

そのゴールに共に進んでいるチームメンバーとの関係性が、何が得意で、どのように貢献しようとしていて、どのような価値観を持っていて、自分に対する期待がどのようなものかがわかっている状態と、どんな人かわからない得体のしれない状態では、どちらのチームがよりゴールにたどりつく可能性が高いでしょうか?

1つ目の質問「自分は何が得意なのか?」

皆さん、自分の得意なことをすぐに答えることができるでしょうか?
この質問は就職活動や転職活動での「自己分析」の中にある質問と似ているかもしれません。
自分の価値を把握するためにも、忙しい中でもこの質問に向き合って答えを持っておくと良いと思います。

「得意」と言い切るのはなかなか難しいことです。
「やりたいこと」であれば、「Ruby on Railsをやってみたい」「イケてるWebサービスを作ってみたい!」などなんとでも言えます。
しかし、ここでの問いかけは「得意」なことです。「得意」とは「プロフェッショナルとしての対価を支払ってもらえる。クライアントから声がかかるレベル」と言い換えることができます。

経験が浅いと難しく思えることかもしれません。その場合、まずは「◯◯について聞かれることが多い」「◯◯についてはチームの中でよく知っている」でもかまいません。

2つ目の質問「自分はどうやって貢献するつもりか?」

人によっては4つの質問の中で一番答えるのが難しい質問(タフクエスチョン)です。
1つ目の質問は自分のことを考えれば答えることができました。
この2つ目の質問に答えるためにはプロジェクトの目的を理解する必要があります。プロジェクトの目的がわからない状態では、どう貢献するのか答えることができません。

例えば「◯◯という機能を持ったWebサービスをリリースすることで新しいユーザーを獲得したい」「Xという特性を持ったユーザーの離脱率を減少させたい」などがプロジェクトの目的になります。
プロジェクトの目的は、プロジェクトに関わる関係者の期待をすり合わせることで明らかになってきます。

改めて、2つ目の質問はプロジェクトの目的を踏まえ、どのように貢献するのか?です。
厳しいですが、プロジェクトの目的から見て、何も貢献できるポイントがなければ、チームにいるべきではないのかもしれません(コストもかかることですし)。
#教育目的など例外あります。

3つ目の質問「自分が大切に思う価値は何か?」

再び個人にフォーカスした質問です。

コードの綺麗さを大事にする人、コードの実行速度を大事にする人、様々な価値観があります。
ドキュメントを重視するか、コミュニケーションを重視するかといった切り口もあります。
また、家族と過ごす時間を大事にするか、自分の技量を上げることを大事にするかなどもあるでしょう。
問いの答えに正解や優劣はなく、メンバーそれぞれ違う価値観があることを実感できる体験が大事です。

価値観に違いがあることわかっていることで、お互いの接し方を考えることができ、チームビルディングをスムーズにできるようになります。また、お互いの価値観を知らなかったり、把握していない故の衝突といったことも事前に避けやすくなります。

4つ目の質問「チームメンバーは自分にどんな成果を期待していると思うか?」

最後の質問は再びタフクエスチョンです。

チームがあなたに対して抱いている「こういう成果を出して欲しい」という期待を想像します。
これまでの3つの質問でメンバーもあなたがどういう人か分かってきています。それらを踏まえた上で考えてみると良いと思います。

「こういう成果を出して欲しい」という期待をお互いわからないチームでプロジェクトを進めていくとなにが起こるでしょうか?

あなたは「読みやすいコードを早く書く」ことでプロジェクトに貢献しようと思っていたとします。
チームは「仕様の不備を早期に見つけ、システムの整合性を取る」ことを期待していたとします。

あなたは読みやすいコードを次々と書いていきますが、チームのメンバーは「コードを書くよりも、もっと仕様全体を見て欲しいのに…」と不満を持っているかもしれません。
この不満、期待のズレを話し合う場があればそこで期待をすり合わせることができます。しかし、そのような場がなければチームのパフォーマンスはあがることはなく、プロジェクトのゴールに辿り着くことは難しくなります。

「ドラッカー風エクササイズ」やってみて感じたこと

4つの質問いずれも答えることが難しいタフクエスチョンの部類に入ると思います。
このようなタフクエスチョンに向き合い、チームメンバーに対し自分の思っていることを出すことができるかは、その場の状態に大きく左右されます。

「評価に関わるのでは?」と恐れ、嘲笑されたり否定されるんじゃないかという不安を持っていると自分の思っていることを話しにくくなります。自由に話してもらうために安全な場が必要です。

プロジェクト開始時以外に、途中で新しいメンバーが参加した場合にもこのワークを活用することもできます。
新しいメンバーに対して「この人はどういう風ににプロジェクトに関わるのだろう?」という疑問を持ったまま時間が過ぎてしまうことがあります。 このような場合にドラッカー風エクササイズをすることで早期にチームをビルドすることができます。

定期的(2、3ヶ月に1回をよく薦めています)に「ドラッカー風エクササイズ」の内容を見直し、自分はチームの期待に応えられているか?チームからの期待は変わっていないか?といった再度期待をすり合わせるために使うこともできます。

まとめ

「チームにおける期待」を合わせる「ドラッカー風エクササイズ」の質問はタフで、向き合い、話し合うことが簡単でない場合もあります。
ただ、これらを話し合い、期待がすり合ったチームは個々の実力の総和以上のパフォーマンスを発揮します。
ぜひ皆さんも一度「ドラッカー風エクササイズ」をやってみてください。

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Photo credit:https://www.flickr.com/photos/roland/100853718/

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