ギルドワークスの佐々木です。 IT業界に出回っている様々な「キャンバス」や「マップ」をまとめてみたいと思います。前半の記事では◯◯キャンバスについてまとめました。今回は後半として◯◯マップをまとめてみたいと思います。
目次
以下は前半の記事でまとめました。
- ビジネスモデルキャンバス
- パーソナルキャンバス
- バリュー・プロポジションキャンバス
- リーンキャンバス
- MVPキャンバス
今回は以下についてまとめます。
- マインドマップ
- カスタマージャーニーマップ
- 共感マップ
- ブレインマップ
- ユーザーストーリーマッピング
各キャンバスの紹介
1. マインドマップ
マインドマップは、自分の脳内にあるイメージを視覚化するツールです。中央に円を書いてメインテーマをつくり、そこからメインブランチ、ブランチとだんだん細くなるように記載していきます。
個人的な考えですが、マインドマップはあくまで自分の脳内イメージを視覚化するものですので、複数人で情報を共有する議事録などには向かないと考えています。以前私は失敗してしまいましたが、マインドマップ議事録という形で共有する方もいます。
マインドマップを書くとスッキリするので、一度書いてみるといいかもしれません。
https://flic.kr/p/aajmmd
(インパクトマッピング)
インパクトマッピングは、マインドマップの派生として、テーマやブランチの付け方にルールを設け、ビジネスの目標とソフトウェアの機能を結びつけたものです。以下の平鍋さん(翻訳者)の記事が参考になります。
http://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/2013/12/impact-mapping.html http://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/2014/02/impact-mapping-at-devsumi.html
3.カスタマージャーニーマップ
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2013/11/27/16409 より引用
カスタマージャーニーマップは、「サービスデザイン」の分野で多様されるようになったマップです。 まず、「顧客の行動」を集め、それらをグルーピングします。(おそらく、ある程度時系列に分かれます。)
その内容から、「顧客の感情の変化」をマッピングしていきます。次に紹介する「共感マップ」にあるような「Think」や「Feel」が該当するかと思います。 ここから、「顧客の課題」を炙り出します。
カスタマージャーニーマップが強力な点は、ある1つのタッチポイントに依存せずに俯瞰できる点です。人間の特性としてどうしても「ある一画面」に焦点を当てがちですが、ユーザー体験における課題はある一画面にのみ存在するのではなく、その連なりからも出てきます。そういった大局的な「サービス」の視点を得るために有用なツールであると思われます。
4.共感マップ
共感マップは、顧客・ユーザーの心理や行動を探るためのツールです。
中心に顔を書き、顔の前面(眼の先)に「見えているもの」、顔の後面(耳の先)に「聞こえているもの」、顔の上面(頭の先)に「考えていること、感じていること」、顔の下面(口の先)に「言ったこと、やったこと」を記載していきます。その後、「得たもの」、「失ったもの」を書きます。
これは、前半で紹介した「バリュープロポジションキャンバス」に相当する部分がありましたね。 3.カスタマージャーニーマップも、この共感マップも、顧客に対する期待を可視化している、とライトに考えた方が良さそうです。これらのツールを形だけ利用しても、仮にインタビューをしていない「ユーザー」について書いていたのなら、顧客理解という意味では全く意味を成しません。また、インタビュー結果を記載していても、そのユーザーが言ったことが本当のことかどうかは分かりません。意図せずユーザーが嘘を言ってることもあります。そういったこともあることを留保した上での利用なら、問題は少ないかと感じています。
5. ブレインマップ
ギルドワークス佐々木の脳内
インターネット黎明期、「脳内メーカー」って流行りましたよね(笑) ブレインマップは、それをインタビュー時に、インタビュイーに描いてもらうことで、インタビュイーの考えをあぶりだすものです。(千葉工大の安藤昌也准教授が元々試している手法です。)
インタビューの実施はなかなか難易度が高く、インタビュアーの技量を必要とします。仮にインタビューでうまく言葉を引き出したとしても、その言葉が本当にそうなのか、誘導してしまっていないか、インタビュイーの考えと合っているかどうかは分かりません。
これをできるだけ簡易にあぶりだすために、インタビュイーにブレインマップを記載してもらうことで、比較的短時間で本質的な考え方を聞くことができるようになります。
やりかたは簡単で、A4程度の紙の中央に大きく◯を書いてもらい、それをインタビュイーの脳内であると見立てます。あるテーマに沿って考えていることを、上記の脳内メーカーの図のように書いてもらいます。記載してもらったら、脳内に見立てた大きな◯の外側に、別の色のペンで何故こう書いたのかをインタビューしながら、何故?や因果関係について記載していきます。
この「何故?(why)」や「因果関係」は、言葉のやりとりだけでは深堀りしにくいところなので、とても有用だと考えています。
6. ユーザーストーリーマッピング
10分でざっくり理解するユーザーストーリーマッピング by Yasunobu Kawaguchi
ユーザーストーリーマッピングについては、川口氏のスライドがわかりやすいと思います。
あるユーザーに対してのアクティビティ(抽象度高めのユーザー行動)を、時系列に横に出していきます。その後、アクティビティに対応する機能を縦に出していき、優先度順に並べます。これにより、ユーザーが最小限体験できる、優先度付きの機能リストが作成できます。 弊社での仮説検証フェーズの一部でも利用されています。(「正しいもの」を探すための「4つの道具」」参照)
また、これはUXデザインの影響を強く受けているようで、「メンタルモデル」という書籍で提唱された「メンタルモデルダイアグラム」というものが強く影響しているようです。 ユーザーの体験を炙りだした後、実際開発する項目に変換するのはなかなか難しいものです。ユーザーストーリーマッピングはこの「変換」をライトに実践できるものだと考えています。
今回は、様々なキャンバスやマップのうち、マップについて整理してみました。ギルドワークスでも様々なツールを使って、プロジェクトの期待や作るべきものを可視化しています。興味が湧いた方は「ギルドワークスと組む」などを見ていただき、お気軽にお問い合わせください。
※注意:この記事は2014年10月11日にGuildWorks Blogで公開したエントリをリライトしたものです。
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